企業インタビューの流れをざっくりまとめてみる
先日、インタビューを丸投げされました。
〇月〇日の何時に〇〇でお願いします。テーマはこれです。以上! みたいな感じ。
結論から言うと、インタビューする情報がなさすぎたのでディレクションからやりなおさせてもらいました。ヒアリングからやりなおしです。編集者やライターはインタビュー記事の大変さは分かっていると思うんですが、その大変さを知らない会社がインタビュー記事をやろうとすると、だいたいは失敗に終わります。
理由は、圧倒的準備不足が原因です。でもこれは仕方ないことなんですよね。インタビュー記事になにが必要なのか、どれだけ大変なのか、経験していないとなかなか理解しづらいものだと感じるので。こういうのは、知ってる人はなぜその手順を踏まなければいけないか、なぜ大変か、などを教えてあげるのが大事だと思います。ということで企業のインタビュー前に必要なものをまとめることにしました。
企業インタビューの流れ
インタビューの流れはざっくりこんな感じです。
1. 企画&スケジュール
2. 企業への取材交渉
3. 質問案の共有(※)
4. 取材
5. 執筆
6. 編集
7. 取材対象の原稿チェック
8. 公開
9. 公開後連絡&謝礼
※質問内容の共有は、相手に情報を用意してもらうために事前に送るようにしています。
もしインタビュー場所を別に用意する必要があれば、インタビュー場所を探す必要がありますし、ライターやカメラマンを社外の人にお願いするなら、それらの手配も必要です。企業への取材交渉が失敗したり長引いたりすることもあるので、スケジュールには余裕をもたせてください。
情報があまりない企業の場合、事前に打ち合わせをお願いした方がいい場合もあります。事前打ち合わせの目的は、認識合わせと軽いヒアリング、取材をうけるための覚悟をもってもらうためです。
インタビューのブッキングに必要なもの
企業インタビューでやっちゃダメなのが、ただインタビューさせてください! です。さすがにそのまま伝える人はいないと思いますが、必要な情報を伝えていなければ、ただインタビューをさせてくださいと言ってることは変わりません。必要なものはこんなところでしょうか。
<概要>
・掲載媒体とURL
・掲載媒体の概要
・インタビューの目的
・インタビューしたい相手
・インタビューしたい希望スケジュール
・謝礼の有無
※会社によっては企画書を求めてくるところもあり
とりあえずこんなもんです。当たり前ですが、インタビューをする相手は仕事をしています。その仕事をしているなかで、インタビューに時間を割くべき価値があるかどうかを依頼メールから判断します。判断する情報が足りないと断られるか、お返事をいただけないこともあります。
取材でOKもらったら追加で伝える内容
無事に取材をお受けいただけることになったら、当日の流れ、当日までに準備しておいてもらうこと、当日に訪問する人数などを改めてまとめて伝えます。人によってやり方は異なるかもしれませんが、ぼくは取材依頼書をつくって取材先に共有するようにしています。基本的には、以下の内容を伝わっておけば大丈夫でしょう。(不足点あれば教えてください)
必要撮影カット
〇月中旬:公開予定
※記事の表現に関する修正や、公開後の修正には応じられません。
1 |
媒体(URL) |
転職メディア(https://www.hogehoge) |
2 |
特集・テーマ |
転職のコツを聞く |
3 |
掲載予定日 |
〇月中旬予定 |
4 |
希望取材日時 |
〇月〇日~〇日を希望 |
5 |
取材想定時間 |
90~120分 |
6 |
ございません |
|
7 |
持ち込み機材 |
デジタルミラーレス一眼×1台 レフ版×1枚 |
8 |
取材者人数・内訳 |
編集者:〇〇 ライター:〇〇 計3名 |
9 |
取材趣旨 |
転職について、普段から鋭い視点で情報発信を続けている貴社の〇〇様に転職するために必要なことをお伺いする |
10 |
当日の流れ |
インタビュー60分 撮影30分 ※インタビュー中は〇〇さまのお話している場面の撮影を、並行いたします |
11 |
必要カット |
〇〇様のインタビューカット 企業ロゴカット ※当日、状況をみて追加で撮影をご相談する場合があります |
12 |
公開までの流れ |
〇月〇日:原稿の事実確認(※) 〇月中旬:公開予定 ※記事の表現に関する修正や、公開後の修正には応じられません。 |
例えば、先方の会社のオフィスでインタビュー取材をおこなうことまで決まっている場合、インタビューに参加するスタッフの人数によって、大きな会議室をおさえるべきか、小さな会議室を選ぶべきかが変わりますよね。また、カメラマンを用意して撮影をおこなう場合、当日どのカットが欲しいのかあらかじめ伝えておかないと、取材対象者が撮影されることを意識していない格好できたり、欲しいカットの撮影がおこなえなかったりします。
まとめ
ざっくりな流れと必要なものをまとめてみましたが、こちらが必要なものを送ったからといって決して安心できないのです。なぜならインタビューの趣旨が、取材対象者に伝わっていない可能性がまだあるからです。なので、インタビューの前日に改めてメールなどでリマインドをおこなう、当日インタビューを始める前に改めてインタビューをおこなう趣旨について伝える、などが必要になってきます。
インタビューは、事前の準備や調整、リサーチが本当に大変なのです。自分がどう動けばスムーズにインタビューがおこなえて、相手からしっかり情報を引き出せるようになるのかは、ずっと考え続ける必要があるかと思います。